”猫と建築と哲学”のバランスが絶妙な大人のための絵本「猫の建築家」




絵本の情報

猫の建築家

【作】森 博嗣

【画】佐久間 真人

【訳】超智 めぐみ

【出版社】光文社

あらすじ

猫は建築家だった。

何度か生まれ変わったけれど、そのたびに建築家になる。

したがって、いつも「造形」というものを考えている。

そして、つねに「共生」というものを意識している。

 

造られるべき「形」

造られるべき「機能」

について、猫は思慮し、観察する。

 

そして、それらについて考えるとき猫はいつも「美」という言葉を思い出す。

建築家仲間が集まり、学会が開かれた。

そこでも「美」に関する議論が繰り返される。

しかし、誰も「美」の意味を説明できない。

 

「美」を見たことも、

「美」に触れたことも、

「美」を舐めたことも、

誰もないのだ。

 

「そんなものが本当にあるのだろうか?」

 

猫は、その後も「美」を追い求め、だんだんとヒントを見つけていく。

 

そして・・・

今日も、色々「形」を調べて回ろう、と猫は思う。

作るべき「形」、そして「美」を考えながら。

 

「美」は、「形」なのか「機能」なのか、

それとも「猫」なのか、

興味はつきない。




感想

私が読みたくて、娘に付き合ってもらった絵本です。

 

もっと絵本ぽいのかな、という想像をしていたら、哲学的な絵本でした。

4歳の娘には、到底理解できないであろう、という内容でしたが、一応最後まで付き合ってくれました。

 

これは、先に「絵」があり、それを並べ替え、作者が文章をつける、という行程でつくられたそうです。

ノスタルジックな雰囲気の絵と、哲学を感じさせる文章が自分好みで、一気に物語の世界に引き込まれました。

 

娘が寝た後、2回程通して読み返しました。

 

私は「犬か猫か」だったら、犬派です。

その理由に「猫という生き物が、とても神秘的で、鋭い眼差しの奥には、ものすごく深い思考を持っていて、すべてを見透かされている」ような気がして、怖いからです。

今回、この絵本を読んで、なんとなく腑に落ちたところがあります。

 

私が今まで抱いていたイメージ通り、「猫」って、もしかしたら、本当にこのような思考の持ち主なのかもしれない、と思ったからです。

単に「猫が大好き」という方にも、十分楽しんでいただける絵本だと思います。

 

図書館で借りてきた絵本なので、返却する前に、何度か目を通す予定です。

好みは分かれるかもしれませんが、私自身はプレゼントされたら嬉しい絵本です。

英文併記。

<関連図書>

>>こちらの絵本も人気です







シェア大歓迎です!


毎日の読み聞かせは、お母さんからの贈り物

絵本の読み聞かせをしてあげられる時期は、案外短い。最初からうまくいっていたわけではないけれど、毎日の読み聞かせは、間違いなく私達親子に、沢山のことをもたらしてくれています。そんな私達親子の「読み聞かせ」これまでと、これから。