新一年生にも!始めての登校と揺れ動くさまを描いた絵本「とくべつないちにち」




絵本の情報

とくべつないちにち

【作】イヴォンヌ・ヤハテンベルフ

【訳】野坂 悦子

【出版社】講談社

【ページ数】20

「とくべつないちにち」のあらすじ

きょうは、とくべつな ひ。

 

アルノが はじめて がっこうに いく ひ。

 

どきどきしながら、アルノは きょうしつへ あるいて いきます。

 

 

 

きょうしつの まえで、アルノは・・・

おおきな は、

おおきな みみ、

おおきな めだま

に きが つきました。

 

オオカミの かおです。

 

ドアを そうっと たたきます。

 

 

 

「はーい、だれですか?」

 

せんせいの こえが きこえて きます。

 

 

 

「みなさんの あたらしい おともだち、アルノくんですよ。」

 

おんなの せんせいは、いいました。

 

 

 

「ぼく、このまま いえに かえっちゃおうかなあ・・・・・。」と、アルノはおもいました。

 

 

 

しらない おんなの こが てを ひっぱります。

 

アルノは てを ひっぱって ほしく ないのに。

 

 

 

ずこうの じかんが はじまりました。

 

「きれいな ネックレスを つくってね。」

 

でも、アルノは おえかきが したいんです。

 

うまく いえないけれど。

 

 

 

つぎは たいそうの じかんです。

 

でも、アルノは きがえたく ありません。

 

「いっしょに はしりましょう。」

でも、アルノは はしりたく ありません。

 

 

 

「こんどは うたの じかんですよ。きょうは アルノくんが、オオカミに なって くれますか?」

 

アルノが へんじを する まえに、まわりの みんなが うたいだしました。

 

あかずきんちゃんは、オオカミが こわいみたい。

みんなも オオカミを こわがって います。

 

アルノは なんだか、たのしく なって きました。

だって、オオカミが こわく ないのは、アルノだけなんです。

 

「ぼく、もう いっかい、オオカミが やりたい。」

と、アルノ。

 

でもね、みんなの こえが きこえて きます。

「オオカミと あそぶのは いや。アルノくんと あそびたーい!」

 

オオカミの かおを とると、アルノは いつもどおりの アルノでした。

 

きょうは とくべつな ひ。

 

アルノが、はじめて がっこうに いった ひ。




感想

アルノは、引っ越しがきっかけでしたが・・・

進級、進学、はじめての登校日は、子供でしたら、誰にでもあります。

 

「このまま家に帰っちゃおうかな」

実際には、帰れるはずもありませんが、不安や緊張から一瞬ふと浮かんだ、正直な気持ち。

とても共感できます。

 

アルノは、教室に入っても、気が進まないことばかりで、なんだかつまらない。

だけど、オオカミの役を与えられたアルノは、オオカミになりきるうちに、楽しくなってきました。

 

私自身も、気が進まなかったけれど、やってみたら、行ってみたら、案外楽しかった!という経験を、子供の頃に、数えきれない程、経験してきました。

そんな風に経験を重ねながら、「何か楽しい事がひとつはあるかも!」と、思えるようになるものです。

 

小学生の娘も、登校前に、今日は気乗りしてなさそうだな、と感じるときがあります。

実際に、娘が口にすることも、あります。

 

そんな日は、「ぜーったいに、何かひとつは楽しいこと、良いことがあるよ!帰ってきたら教えて!」と、送り出しています。

そして、決まって、「今日こんな良いことがあったよ!」と帰ってきます。

 

引っ越しを機に、はじめての登校日を控えているお子様に。

また、進級、進学の時期に、読み聞かせてあげたい絵本です。

 

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