絵本の情報
こんやもバクはねむらない
【作】澤野 秋文
【出版社】講談社
【ページ数】36
「こんやもバクはねむらない」のあらすじ
なぜ夢を見るのか、あなたは考えたことがありますか?
実は、この不思議な機械と、バクたちのおかげなんです。
たくさんのバクたちに囲まれた、謎の機械。
実は、この機械には、みんなが今夜見たい「夢」が集まってくるのです。
レバーを回して、がちゃがちゃがちゃ・・・。
ぽっとん。
バクたちは、この機械を使って、それぞれ今夜誰に、どんな夢を届けるのかを決めていくのです。
大きなガチャガチャの機械から出てくる、カプセル。
その中には、色んな人の「見たい夢」が詰まっています。
夢の材料を集めて、それを届けるのがバクの仕事です。
落ちてきたカプセルを開けてみると・・・・・。
出てきたのは、今日はなちゃんがみたい「ゆめ」。
みんなの夢を作って配る、大事な仕事に今夜初めて挑戦するのは、ちょっと頼りない新人の「ピケ」。
はじめてカプセルを開けたピケが驚いていると、この道何十年の大先輩、モーフが言いました。
「きょうから きみにも、この しごとを てつだって もらうぞ」
ピケとモーフは、協力して、今日の夢に必要な材料を集めていきました。
人間のまちでは、そうして沢山のバクたちが、夢を配っています。
しかし、初心者のピケはまだ上手に夢の材料を集めることができません。
例えば、「おもしろい本を読みたい」という夢の材料に、ものすごく大量の本を集めてしまったり・・・
「おふろがお客でぎゅうぎゅうに」という夢の材料に、牛を沢山集めてしまったり・・・
失敗ばかりで、とうとう落ち込んでしまいます。
でも大丈夫、大先輩のモーフは、励ましながら助言を与えました。
「とにかく その ひとの きもちを そうぞうして、ゆめの いみを じっくり かんがえるんじゃ」
そのおかげで、ピケは自信を取り戻していきます。
さて、今夜のあなたの夢は、どうなることやら・・・・
本作は、第34回講談社絵本新人賞佳作を受賞した澤野秋文氏の第三作です。澤野氏は、デビュー作『それなら いい いえ ありますよ』が、第6回MOE絵本屋さん大賞新人賞5位を受賞、2014年に刊行された『じつは よるの ほんだなは』が、第7回MOE絵本屋さん大賞27位を受賞するなど、読者・書店から支持を集めています。
感想
同著者の絵本は、デビュー作「それならいいいえありますよ」を最初に読みました。
とても面白かったので、次に、第二作「じつはよるのほんだなは」を読みました。
そして今回「こんやもバクはねむらない」を読んでみました。
時代背景が、3作とも、現代ではないのです。
私は、そんなところにも不思議と惹かれています。
絵本の中には、これでもか!というほどのものが描き込まれています。
それだけに、見応えは十分です。
隅から隅までじっくりと目を通すことで、様々な仕掛けも見えてきます。
じーっと絵本をみることが好きなお子様には喜ばれると思います。
5歳の娘は、よく昨晩みた夢について、はなしてくれます。
「どうして夢ってみるの?」
「夢で見てることって、全部うそのことだよね?」
色々と気になるようでした。
そんなときに出会ったこの絵本。
「うそ!こんな大きなガチャガチャから夢が出てるんだ、へえー」
「こうやって、作られて届けられるんだね!」
と、感心していました。
もしかしたら、大人になっても信じているかもしれません。
また「夢」に関する絵本を探してみようと思っています。
こちらの絵本もおすすめです
- 澤野秋文その他の著書
- 第34回講談社絵本新人賞佳作を受賞「じつはよるのほんだなは」
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