絵本の情報
だいじょうぶだいじょうぶ
【著】いとう ひろし
【出版社】講談社
【ページ数】31
あらすじ
「ぼく」と「おじいちゃん」の物語です。
「ぼく」が今よりもずっと赤ちゃんに近く、おじいちゃんが今よりずと元気だったころ、ぼくとおじいちゃんは毎日のように散歩を楽しんでいました。
ぼくが少し大きくなって、困ったことや怖いことに出会うたび、おじいちゃんはぼくの手を握り、おまじないのようにつぶやくのでした。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
魔法にでもかかったみたいに、どんどん広がっていく、ぼくの世界。
ぼくは「新しい発見や、出会い」の分だけ「困ったことや、怖いことにも出会うように」なります。
わけもなくぼくをぶつ友だち。
顔をしかめる友だち。
歯をむき出す犬。
自動車に、飛行機に、バイ菌に、あるれる文字。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
おじいちゃんの「おまじない」がぼくに教えてくれたのは「この世の中、そんなに悪いことばかりじゃない」ってことでした。
おじいちゃんの「だいじょうぶ だいじょうぶ」は、魔法の言葉。
「無理してみんなと仲良くしなくていい」ってことだったり。
「わざとぶつかってくる車や飛行機もめったにない」ってことだったり。
「言葉が分からなくても、通じることがある」ってことだったり。
おじいちゃんは、決して多くを語ったわけではありませんが「だいじょうぶ だいじょうぶ」という言葉は、ぼくを肯定し、わけもなく広がる不安をしずめてくれました。
ぼくは、不安から解き放たれ、自分で歩けるようになっていきます・・・
感想
この絵本は、娘が幼稚園に行くのを嫌がっていた時期に読み聞かせました。
今まで知らなかった、新しく広がる世界。
同時に、心に満タンになった、不安な気持ち。
痛いほどわかるのだけれど、毎日励ましながら、娘を信じて見守ることしかできませんでした。
そんなとき、この絵本は、私の伝えたかったことを、より効果的に娘に伝えてくれました。
娘は「ぼく」に自分を重ね、少し安心したように感じられました。
暖かい気持ちになる、感動作です。
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