原爆ドームが語る過去・現在・未来!戦争の絵本「ドームがたり」




絵本の情報

ドームがたり

【作】アーサー・ビナード

【画】スズキ コージ

【出版】玉川大学出版部

【ページ数】34

「ドームがたり」のあらすじ

どうも、はじめまして。

ぼくの名前は「ドーム」。

あいにきてくれて、ありがとう。

 

とおくから 広島のまちへやってくる人は

「原爆ドーム」と ぼくをよぶ。

けど 広島にすんでいる人は ただ「ドーム」というんだ。

 

「原爆」って、ぼくにとっては 苗字みたいなものかな・・・・・

 

ぼくはもう100歳をこえたんだ。

うまれたとき、ぼくの顔は こんなスカスカじゃなかった。

名前も「原爆ドーム」じゃなくて・・・・・

 

「広島県物産陳列館」

1915年、絵をかくのがじょうずなヤン父さん「ヤン・レツル」の絵のとおりに ぼくはできあがったんだ。

 

ぼくが20歳くらいのころから、みんな「戦争にかつ」っていう はなしをするようになった。

オクニノタメ・・・オクニノタメ・・・なき声みたいにきこえる。

 

1945年8月6日の朝

空には飛行機がブーン・・・

おや?なにか落とした。

 

広島さんは、ころされた。

レンガがズレて、石もズレて、かべはこわれた。

頭がとけてスカスカの骨に・・・どこもスカスカ・・・

8月6日からぼくは なんでもすけて見えるようになった。

 

8月6日の朝、ウランのつぶつぶを ぼくの上でわったんだ。

広島の空で、いっこいっこの原子を いっきにわっちゃた。

 

ウランのカケラがとびちっていっぱいささったけど、あまりにちっちゃくて みんな「いたい!」ってかんじない。

からだにカケラがもぐりこんでじりじり・・・夏がすぎても広島のまちはカケラだらけ。

 

しばらくして広島のまちに、人がたくさんきた。

いつからかぼくを「原爆ドーム」とよびはじめた。

 

ぼくのまわりに建物をどんどんたてて、みんな「戦争がおわってよかった」といったりする。

けども気になるんだ。

ほんとうにおわったのか?

 

「実験」といって、島に落として「原爆アイランド」。

山でやって「原爆マウンテン」。

海のあっちも こっちもやられて「原爆スポット」が世界中に!

 

原子力発電所・・・原発だ。

ウランの原子をわって じりじりカケラはいっぱいふえて、いつまでのこるんだろう?

 

夜がくると、コウモリたちは ひゅるりひゅるりと ぼくのまわりをとぶ。

 

夜までずっといっしょに いてくれて、ありがとう。

 

ぼくは、生き物がそばにいると うれしい。




感想

アメリカ人が原作、日本人が絵をつけるという組み合わせで、原爆ドームの視点で語られる「過去・現在・未来」。

 

「原爆ドーム」という名称も、はじめからつけられたものではなかったという事実にあらためて気づかされました。

「広島物産陳列館」として誕生し、被爆して、名前が変わってしまったのですね。

 

華やかな時代を経て、今の姿がある。

戦争が終わったからいいのではなくて、現在でも課題は残る。

「原爆ドーム」が伝え続けている無言の言葉が、かたちになっている気がします。

 

何度か足を運びましたが、大人になった今、この絵本を読んだから心に響くものがあるのかもしれません。

小学一年生の娘と読みましたが、まだ少し早いなと感じました。

 

現地を訪れる前、訪れたあとに、再度読み聞かせたい絵本です。

戦争や「ドーム」についてだけではなく、原爆を知るための導入としては、子供が理解しやすい内容だと思います。

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毎日の読み聞かせは、お母さんからの贈り物

絵本の読み聞かせをしてあげられる時期は、案外短い。最初からうまくいっていたわけではないけれど、毎日の読み聞かせは、間違いなく私達親子に、沢山のことをもたらしてくれています。そんな私達親子の「読み聞かせ」これまでと、これから。


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1児(女の子)の母。 毎日の読み聞かせは、愛情のシャワー。 ただただ絵本が好きで、毎日娘と楽しんでいます。 特におすすめの絵本を、このブログで紹介しています。 どなたかの、絵本選びの参考になりましたら幸いです。