フェリクス・ホフマンの描くグリム童話「くまの皮をきた男」




絵本の情報

くまの皮をきた男

【著】フェリクス・ホフマン

【訳】佐々木 梨代子、野村 泫

【出版社】こぐま社

あらすじ

むかし、あるところに、若い男がいました。

 

兵隊にやとわれ、いさましく働いていましたが、平和になると、隊長に、どこへでもすきなところへいくがいい、と言われました。

 

若い男は、思いました。

 

「こうして戦争が終わってみると、おれなんぞは、もう用なしだ。」

 

すると突然、不思議な見知らぬ男があらわれました。

 

その男は、言いました。

「好きなだけ、金をやろう。しかし、約束を守ってもらわねばならん。」

「これから先、7年間、身体を洗ってはならん。爪も切っては、ならん。主の祈りなんぞ、唱えてはならん。そして、その間中、おれのあてがった上着とマントを着ていなければならん。7年間約束を守り、生き残れたなら、自由の身になった上に、死ぬまで金持ちでいられるのだ。」

 

若い男は、用意された服と、くまの皮をはいだ上着を着ることにしました。

 

「これからは”くまっ皮”と名乗るがいい。」

そう言って、男は姿を消しました。

 

見知らぬ男の正体は、悪魔でした。

 

”くまっ皮”は、その熊のような身なりで、旅をつづけました。

 

そして旅の途中4年目に、ある女と出会いました。

 

しかし、悪魔との約束は、あと3年残っています。

3年経って、自分が生きていたら、必ず戻ると言い残し、男はまた旅に出ました。

 

この男の行く末に待っていた、運命とは・・




感想

スイスの代表的な画家「フェリクス・ホフマン」の遺作だそうです。

ホフマンは、自分の4人の子供と、孫たちにグリムのお話を語り、手書き絵本にして贈ったそうです。

 

くっきりと、はっきりと描かれている絵ではありませんが、素朴な、温かみのある絵は、不思議と心に残ります。

 

グリム童話「くまの皮をきた男」は、今回はじめて読みました。

 

”くまっ皮”の化け物のような外見に判断されず、中身の親切心や真心に惹かれ、、一人の女性が”くまっ皮”が戻ることを信じて待ち続けます。

 

7年間もの長い年月を、悪魔との約束を忘れず、貫き通した”くまっ皮”の意思の強さにも、感心します。

 

子供向けの絵本ですが、大人も十分に楽しめる1冊です。

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