絵本の情報
じつはよるのほんだなは
【作】澤野 秋文
【出版社】講談社
【ページ数】36
「じつはよるのほんだなは」のあらすじ
みなさんは よる、
ほんだなが どう なって いるか
ごぞんじですか?
ん?ごぞんじ ない?
じつは、よるの
ほんだなは・・・・。
本の中から、挿絵の動物たちや、金太郎、竜や忍者が飛び出して、大騒ぎをしています。
それを、いぬはりこの こたろうが、きちんと見張りをしているんですって。
「みんな いそいで もどれー!」
いぬはりこの こたろうが叫ぶと、挿絵たちは、自分の本に慌てて戻ります。
しかし、「こたろうさん、りすがかえらんのですわ」
くまが、心配そうに言いました。
「たしか、きの みを さがすと いっとりましたわ」
「よーし」
こたろうは、図鑑をひきだし、りすを探し出しました。
すると、今度は、犬と猿ときじがとんできて、
「ももたろうが いません!」
桃太郎は、他の昔話に、もっと立派な仲間をみつけに行ってました。
「きみには、もう りっぱな なかまが いるだろう!」
こたろうは言いました。
すると、今度は・・・
てんぐが
シンデレラが
ことりたちが
こたろうは、どこかの本に紛れ込んだ挿絵たちを探してまわります。
全てを元の場所に戻し終えたこたろうは、安心していねむりをしてしまいます。
それでも何とか、本棚の上に戻ったのだけれど、
がっしゃーん!
本棚の荷物はぐしゃぐしゃ。
こたろうはその散らかった荷物の中に紛れ込んでしまいました。
すると、挿絵からぞくぞくとみんなが出てきて、こたろうを助け出そうとします。
そこへ、いちばんどりが
コケコッコ-!
みんなは、慌てて本に帰りました。
そんなわけで、すっかりもとどおり・・・・
とはならなかったみたいですが。
あなたの ほんに、もし みなれない えが
あったと したら、 それは こたろうが
いねむりを した せいかも
しれませんね!
感想
本作は、第34回講談社絵本新人賞佳作を受賞しました。
2013年に刊行されたデビュー作「それならいいいえありますよ」に続く、著者の第2作目です。
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みんなが寝静まってからの「夜の本棚」。
本の中の挿絵たちにとっては、朝が来るまで自由に遊べる最高の時間です。
本から抜け出して、大騒ぎします。
「トイストーリー」や、「ドックはおもちゃドクター」が大好きな5歳の娘は、とても楽しんでいました。
意外なところに知っているキャラクターが隠れていたりして、ストーリーはもちろんですが、探し絵としての楽しみ方もあります。
澤野さんの描く、細部までこだわった緻密な絵は、本当に見応えがあります。
デビュー作が面白かったので、図書館でこちらを借りてみました。
期待を裏切りませんでした。
子供の好きがギュッと凝縮された良質な絵本です。
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