絵本の情報
ヨーザとまほうのバイオリン
【作】ヤーノシュ
【訳】やがわ すみこ
【出版社】偕成社
【ページ数】31ページ
「ヨーザとまほうのバイオリン」のあらすじ
あるところに、 エロミールという 炭やきが いました。
ヨーザは その エロミールの むすこでした。
お父さんは、まるで木みたいに大きくて強いのに、ヨーザはちびで、力もありませんでした。
お父さんは、
「ヨーザはちびで弱虫で、とても炭やきにはなれない、これからどうする気だい?」
と残念がっていました。
ヨーザは、そう言われると、すっかり悲しくなりました。
しかし、先のことを考えなければ、二人は結構幸せでした。
草むらに寝転んで、ひなたぼっこをしているヨーザとお父さんを見れば、誰もがうらやましがったことでしょう。
月日はめぐりました。
それでもやっぱりヨーザはちびでした。
ある日、友達の鳥がヨーザをなぐさめました。
「なにも 炭やきばかりが しごとじゃないぜ。」
そして、不思議なバイオリンをヨーザに手渡しました。
鳥は、ヨーザにある曲の弾き方を教えました。
それは、世界中を魔法にかけられる、曲でした。
バイオリンはとても小さく、ちびのヨーザにぴったりでした。
鳥から教えてもらった曲を聴くと、なんでも強く、大きくなりました。
また、曲を逆から弾けば、小さく、弱くなってしまうのでした。
ヨーザは考えました。
お月さまにこの曲を聞かせたら、大きくなったり、小さくなったり、するのかな?
ヨーザは、お月さまに会うために、旅に出ました。
世界のはての、お月さまが地にしずむとこを目指して。
ヨーザは、旅の途中、いばりんぼうをこらしめ、弱いものを強くしてあげながら、バイオリンの腕を磨きました。
そして、とうとう、世界のはてまで、やってきました。
ヨーザは、いつまでも、そこにます。
月が、ああして大きくなったり、小さくなったりするのは、そのせいなのです・・・
感想
バイオリンを習っている5歳の娘と読みました。
ページごとの文字数が思ったより多く、読み応えのある絵本でした。
途中、娘が「おばけリンゴの人が描いた絵本だ!」と言いました。
ヤーノシュの描く絵は、色彩豊かで、ナイーブ。
決して強烈にではないのですが、優しく、子供の心にも残るようです。
「おばけリンゴ」もそうでしたが、自由な発想のお話に引き込まれる、ファンタジー絵本です。
世界に大きい人や小さい人がいるのは、ヨーザがバイオリンを弾きながら世界を旅をしたからでしょうか。
そして、月の満ち欠けも。
そこにいつもヨーザがいると思うと、また月の見方も変わってきます。
とても壮大で、夢のある絵本です。
※現在は販売されていないようです。図書館でお探しください。
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