絵本の情報
おかえし
【著者】村山 桂子
【絵】織茂 恭子
【出版社】福音館書店
【ページ数】32
「おかえし」のあらすじ
ある日、たぬきの家の隣へ、きつねが引っ越してきました。
引っ越しの荷物が片付くと、きつねの奥さんが、たぬきの奥さんのところへ、あいさつにきました。
「今度、隣へ越してきた、きつねです。これは、ほんのつまらないものですが・・・。」
きつねの奥さんは、そういって、かごいっぱいの「いちご」を差し出しました。
きつねの奥さんが帰ると、たぬきの奥さんは大きなかごに「タケノコ」を入れて、きつねのうちへ、行きました。
「これは、ほんのつまらないものですが、いただいた いちごのおかえしです。」
ところが、しばらくすると、また、きつねの奥さんがやってきて、
「これは、ほんのつまらないものですが、おかえしの おかえしです。」
と、花と花瓶を置いていきました。
えーと、何がいいかしら。
たぬきの奥さんは考えました。
「これは、ほんの つまらないものですが、おかえしの おかえしの おかえしです」
そう言って、絵と壺を持っていきました。
そんな感じで、「おかえし」は、どんどんエスカレートし・・・
最後には、どんな「おかえし」になるのでしょう?
とんでもないのですが、とっても面白いので、是非お手に取って確認してみてください。
感想
お隣同士で際限なくお返しし合うこの設定に、次はなんだろう?と想像力が膨らみます。
家中の物をお返しし合うのですが、最後には、とんでもないものをお互いに交換してしまいます。
たぬきと、きつねの親子は大まじめなのだけれど、その姿がまた笑いを誘います。
また、ページごとに細かい細工が施されているところも見どころです。
本来、「おかえし」は、いただいた物へささやかなお返しの品物を贈るという、幸せで楽しい行為です。
しかし、人間の「おかえし」には、相手に負けないものを、という競争心や虚栄心が働くことがあります。
それは時として煩わしく、やっかいなものに感じられることがある。
作者の村山恵子さんは、自分自身への反省を込めて本作品を作られたそうです。
とても面白く、絵も見応えがあって、笑いながら心が温かくなる絵本です。
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