絵本の情報
おひさまいろのきもの
【著】広野 多珂子
【出版社】福音館書店
【ページ数】35
あらすじ
目の見えない女の子「ふう」と、その母の物語です。
「ふう」にはお父さんがいません。
「ふう」は、お父さんの分まで、働いているお母さんのために一生懸命手伝いをします。
「ふう」は、もうすぐ来る秋祭りを楽しみにしています。
そんなある日、友達の家に遊びに行くと、お母さんがその子のために「秋祭り用の着物」を織っていることを知ります。
でも「ふう」は、分かっていました。
朝から晩まで働いても、うちには「糸」や布を織る「機織り機」が買えそうにないことを。
それなのに、ふうは「あたらしいきもの」のことが頭から離れませんでした。
帰り道、途中まで迎えに来たお母さんに、それまで一度も自分から何かを欲しいと言ったことがない「ふう」が、こみ上げる涙をおさえきれず、こう言いました。
「かあさん、ふうにも、あきまつりのきものつくって」
そこから、ふうとお母さんは、着物を作るために働き、奮闘します。
出来上がった着物は「ふう」の目でみることはできないけれど、ふうにははっきりと分かりました。
「おひさまのように あたたかい いろ」
「かあさんが 刺繍をしてくれた花は 輝いている」
ふうは、楽しみにしていた秋祭りに出かけました。
感想
作者「広野 多珂子」さんが大正末期から、昭和初期を想定して描かれた、日本の美しい原風景の絵本です。
私が着物が好きなので、子供にもお正月、夏祭りなど着物や浴衣を着せています。
表紙の絵が気になり、手に取った絵本です。
なんとなく手に取った絵本でしたが、その内容に心をうたれ、感動しました。
何でも簡単に手に入る時代、不便のない現代に生き、母と子のつながりさえも希薄になってはいないだろうか?と問題提起されたような気さえしました。
広野 多珂子さんの描く世界は、子供も大人でさえも引き込まれるほど絵が美しく、おすすめです。
こちらも見る→「広野多珂子その他の著書」
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