絵本の情報
としょかんライオン
【作】ミシェル・ヌードセン
【絵】ケビン・ホークス
【翻訳】福本 友美子
【出版社】岩崎書店
【ページ数】41
「としょかんライオン」のあらすじ
ある日、図書館にライオンが入ってきました。
図書館員のマクビーさんは、慌てて図書館長の部屋へ飛び込んで叫びました。
「メリウェザーかんちょう!」
「ライオンが いるんです!としょかんに!」
メリウェザーさんは、聞きました。
「で、そのライオンは、図書館の決まりを守らないんですか?」
マクビーさんは、答えました。
「いえ、べつに、そういうわけでは・・・」
メリウェザー館長は、決まりにはなかなかうるさいのですが、ライオンが決まりを守っているのであれば、そのままにしておくことになりました。
図書館の決まりには、ライオンが来た時のことなど、どこにも書いていないのです。
やがて、図書館では、お話の時間が始まりました。
「ライオンがお話を聞いてはいけません」という決まりは、ありませんでした。
ライオンは、二つ目のお話もじっと聞いていました。
その次も、聞いていました。
お話しの時間が終わると、ライオンは大きな声で言いました。
「うおおおおおおおお!」
その時、メリウェザー館長があらわれました。
「静かにできないのなら、図書館から出ていっていただきます。それが決まりですから!」
でも、もうひとこと、付け加えました。
「静かにできる、お行儀のいいライオンなら、もちろん明日もお話の時間に来ていいですよ」
子供たちは、喜びました。
ライオンは、次の日も、また次の日もやってきました。
図書館のお掃除を手伝い、メリウェザーさんの仕事も手伝って、そのうち、みんなの人気者になりました。
図書館の決まりも、全て守れるようになったライオン。
ある日、メリウェザーさんに、思わぬ事故が起きてしまいます。
その時は、図書館の決まりを破り、ライオンは走りました。
そして、マクビーさんに向かって、大声で叫びました。
「うおおおおおおおお!」
メリーウェザー館長は、普段は決まりを守れるライオンの規則違反により、救われました。
「たまには、ちゃんとした わけがあって、きまりを まもれないことだって あるんです。
いくら としょかんのきまりでもね。」
感想
図書館では、
走ってはいけない。
大きな声をださない。
読み聞かせは、静かに聞く。
そんなマナー、ルールも学ぶことができます。
そして、規則を守る、ということに、時には例外があることも。
ライオンを題材にした絵本は沢山ありますが、こちらは図書館という場所で、ライオンと、人間との心の交流を描いたファンタジー絵本です。
ライオンが通う図書館なんて、実際にはあり得ませんが、図書館ってあたたかくて楽しい、ワクワクとする場所なんだという良いイメージを与えてくれる素敵な絵本でした。
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