谷川俊太郎さんの有名な詩。日本人の感性に訴える絵本「生きる」




絵本の情報

生きる

【詩】谷川 俊太郎

【絵】岡本 よしろう

【出版社】福音館書店

「生きる」絵本(詩)の内容

生きているということ

いま生きているということ

 

それはのどがかわくということ

木漏れ日がまぶしいということ

 

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみすること

 

あなたと手をつなぐこと

 

生きているということ

いま生きているということ

 

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

 

すべての美しいものに出会うということ

 

そして

かくされた悪を注意深く こばむこと

 

生きているということ

いま いきているということ

 

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

 

自由ということ

 

生きているということ

いま生きているということ

 

いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ

 

いまいまがすぎてゆくこと

 

生きているということ

いま生きているということ

 

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ

 

人は愛するということ

 

あなたの手のぬくみ

 

いのちということ

「生きる」を書いたのはもうずいぶん昔の話です。まだミニスカートが新鮮に感じられたころで、若い女性の写真といっしょに雑誌に載ったのを覚えています。テーマを考えて書いたわけではなく、言葉は力まずに自然に出てきたように記憶しています。それが今もさまざまな形で、繰り返し人々に読まれているのは、善かれ悪しかれ自分が生きている〈いま・ここ〉のリアリティに、歴史から離れたいわば〈もののあわれ〉を感じる、日本人の感性に訴えるところがあるからではないでしょうか。

著者あとがきより




感想

小学校の教科書に載っていた、谷川俊太郎さんの詩が絵本になっていました。

当時、まだ「生きる」ことについて、深く考えたことのなかった私にとって、この詩は衝撃的でした。

 

そのときから現在に至るまでずっと、私は谷川俊太郎さんのファンで、5歳の娘とも同著者の絵本を沢山読んでいます。

教科書に載っていた、有名なお話「スイミー」の翻訳をされたのも、同著者です。

 

「生きる」という素晴らしい詩に、どんな挿絵がつくのだろう?と興味があり、図書館で借りました。

詩の内容とリンクしつつも、絵ではまた別の物語が展開されていきます。

絵の世界観にも引き込まれ、見るほどに、「これは絵本にした意味がある」と納得してしまいます。

 

自分用に購入を考えている絵本です。

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