絵本の情報
わたしのそばできいていて
【作】リサ・パップ
【訳】菊田 まりこ
【出版社】WEVE出版
【ページ数】32
「わたしのそばできいていて」のあらすじ
わたしはマディ。
字を よむのが だいっきらいな女の子。
字が たくさん あるから。
本も ざっしも きらい。
字を よまないと えらべないから。
アイスクリームやさんの
メニューだって きらい。
なにより だいっきらいなのは、こくごのじかん。
みんなのまえで 声をだして 本を よまなきゃ いけないってこと。
わたしが つっかえたりすると、みんなが クスクスわらうの。
だから、わたし・・・・だんだん がんばれなくなってしまうのよ。
土曜日。
ママは わたしを としょかんに つれだした。
「・・・こんにちは。字を よむのが だいきらいな マディよ」
図書館のテンプルさんが、言った。
「ふふ。しってるわよ マディ!でも、きょうは とくべつなことが あるの。
きっと あなたも たのしめると おもうのよ」
おくの部屋に入ると、図書館に犬がいた。
「この子はボニー。よければ、この子に 本を よんえあげてほしいの。
ボニーはね、おはなしを きくのが とーっても だいすきなのよ。」
マディは、引き受けた。
きんちょうして ドキドキした。
ことばが 声が うまく でてこない。
だけどボニーは、クスクス笑ったりなんか、しなかった。
ただ まっすぐ じっと しずかに みつめかえすだけだった。
わたしは すこし きもちが らくになった。
ボニーは、ことばが でてくるのを、わたしのひざに おおきな まえあしを のせて、
ただ しずかに じっと まってくれた。
それからの土曜日、わたしは としょかんにいって、
ボニーに 本をよんであげるようになった。
まちがえることを きにしなくてもいいのなら
本を よむことって とっても たのしい。
うまくよめるまで いつだって しずかに まってくれるボニー。
「ゆっくりで いいんだよ。まちがえても いんだよ」って、
わたしに おしえてくれようと してるみたい。
月曜日。
クラスのみんなのまえで 本を よむ日が やってきた。
さいしょは、すらすらと ことばが でてきたの。
しばらくすると、ひとつ ことばが つっかえた。それからは、
つづけて つっかえだした。
・・・・だれかが クスクスわらう 声がきこえる。
わたしは おもった。
おおきく いきを すって、いつもの土曜日、いつものとしょかん、
いつものように ボニーが わたしのそばで きいているんだ、って。
つぎに きがついたときは、もう
さいごのページだった。
そして
ついに やった!
わたし、はじめて 星を もらえた!
感想
今も記憶に残る、小学生時代の、あの子のことを、思い出しました。
普段は明るくて楽しい女の子なのに、国語の時間、朗読の順番がまわってきて、読みだすと、決まって泣いていました。
最初は順調なのに、一度つっかえると、またつっかえて、最後には、決まって泣いてしまうのでした。
誰も、何も言わなかったし、クスクス笑ったり、そのことで、からかわれたりも、しませんでした。
私も、その子に順番が回ってくると、心の中で「頑張れ」と思っていました。
その子との思い出は、他にもいくつかありますが、「本読み」の記憶は、特に私の中に色濃く残っています。
「R.E.A.D(Reading Education Assistance Dog)プログラム」
というものが、あるのだそうです。
読書を苦手とする子が、犬に本を読んで聞かせることで、自信をつける訓練だそうです。
そこに、読書介助犬が携わっているそうです。
動物は、人を癒す力も持っていますし、素晴らしいプログラムだと思います。
残念ながら、日本では実例がないようですが、とても興味深いです。
犬を飼いたくなってしまいそうですが・・・
「読書介助犬オリビア」近々読んでみたいと思います。
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