涙なしでは読めない絵本「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」




絵本の情報

いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日

【原案】坂本 義喜

【作】内田 美智子

【絵】魚戸おさむとゆかいななかまたち

【出版社】講談社

【ページ数】48

「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」のあらすじ

坂本さんは、食肉センターにつとめています。

牛のいのちを解いて、お肉にする仕事です。

 

坂本さんは、この仕事がずっといやでした。

 

牛を解く人がいなければ、牛の肉はだれも食べられません。

だから、たいせつな仕事だということはわかっています。

でも、牛と目があうたびに、仕事がいやになるのです。

 

「いつかやめよう、いつかやめよう」

とおもいながら仕事をしていました。

 

坂本さんの子どもは小学三年生です。

しのぶくんという男の子です。

 

ある日、小学校から授業参観のおしらせがありました。

坂本さんがいくことになりました。

 

参観日。

授業参観は、社会科の「いろんな仕事」という授業でした。

 

坂本さんはしのぶくんに、じぶんの仕事について、あまりはなしたことがありませんでした。

 

「おとうさん、おかあさんの仕事をしっていますか?」

先生の問いに、なんとこたえるのだろうと、不安におもいました。

 

しのぶくんは、ちいさな声でいいました。

「肉屋です。ふつの肉屋です」

 

坂本さんは「そうかぁ」とつぶやきました。

 

授業参観のあと、しのぶくんは先生に呼び止められました。

「坂本、なんでおとうさんの仕事ば、ふつうの肉屋てゆうたとや?」

 

「ばってん、カッコわるかもん。

一回、みたことがあるばってん、血のいっぱいついてから、カッコわるかもん」

 

先生はしのぶくんに言いました。

「おまえのおとうさんが仕事ばせんと、会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ。すごか仕事ぞ」

 

「おとうさんの仕事はすごかとやね」

家に帰ると、しのぶくんはお父さんに言いました。

 

坂本さんはもうすこし、仕事をつづけようかなとおもいました。

 

ある日、あした肉になる予定の牛が、一台のトラックにのって食肉センターの門をくぐってきました。

すると、トラックから、十歳くらいの女の子が、とびおりました。

 

女の子は、牛にはなしかけました。

「みいちゃん、ごめんねぇ。

みいちゃん、ごめんねぇ。

みいちゃんが肉にならんと お正月がこんて、じいちゃんのいわすけん。

みいちゃんば売らんとみんながくらせんけん。

ごめんねぇ。

みいちゃん、ごめんねぇ」

 

坂本さんは「みなきゃよかった」とおもいました。

 

女の子のおじいちゃんがトラックからおりてきました。

「坂本さん、みいちゃんは、この子といっしょにそだちました。

だけん、ずっと、うちにおいとくつもりでした。

ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉もクリスマスプレゼントも買ってやれんとです。

あしたは、どうぞ、よろしくおねがいします。」

 

坂本さんはまた、「この仕事はやめよう。もうできん」とおもいました。

そして、あしたの仕事はやすもう、と思いました。

 

家に帰ると、しのぶくんに今日のことを伝えました。

そして、明日の仕事を休むことも。

 

しのぶくんは、お父さんに言いました。

「お父さんが肉にして やんなっせ」

「お父さんの代わりに心のなか人がしたら、苦しむけん」

 

朝、坂本さんは、しのぶくんが小学校にでかけるのを、まっていました。

「いってくるけん!」

「おとうさん、きょはいかないけんよ!」

しのぶくんがさけびました。

 

坂本さんは、しぶしぶ仕事に出かけました。

 

仕事場に着くと、まず、みいちゃんをみにいきました。

最初は威嚇していたみいちゃんも、次第に安心して坂本さんの手をくんくんくかぐようになりました。

 

みいちゃんのいのちを解く、そのときがきました。

坂本さんが、「じっとしとけよ、みいちゃん、じっとしとけよ」というと、みいちゃんは、ちょっともうごきませんでした。

 

そのとき、みいちゃんの大きな目から、なみだがこぼれおちてきました。

 

坂本さんは、牛が泣くのをはじめてみました。

 

後日、おじいちゃんが食肉センターにやってきて、しみじみといいました。

「孫は泣きながら、『みいちゃん、いただきます。おいしかぁ、おいしかぁ』というて、食べました。ありがとうございました」

 

坂本さんは、もう少し、この仕事をつづけようと思いました。




感想

5歳の娘と読みました。

実話です。

 

普段の娘をみていると、命をいただくいただくという言葉の意味は、何度言ってもなかなか伝わらないのだなぁと痛感します。

しかし、今は、スーパーで売られている肉しかみることはありませんし、私は、命を解く現場にも、立ち会う勇気はありません。

意識の低さは、何ら子供と変わらない気も、します。

 

 

この本は、生き物の命をいただいているから、生かされていること、そしてそれを支える仕事をしてくれる人がいることを、大人にも再認識させてくれる絵本です。

坂本さんのような方が、一人でも多く、このような仕事に携わってくれたらいいのに、と思います。

 

娘は、所々目を覆い、泣きながら聞いていました。

後日、お肉をいただくときに「これも、みいちゃんかなぁ」とつぶやいていました。

 

命を解く場面も、残酷さは感じられないよう、きれいにまとめられています。

お肉を食べられるまでの大まかな流れを知るきっかけに、また簡単な事、決して当たり前ではないのだと伝えられる、良い絵本だと思います。

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