いじめられる側の立場や気持ちが理解できる悲しい絵本「わたしのいもうと」




絵本の情報

わたしのいもうと

【文】松谷 みよ子

【絵】味戸 ケイコ

【出版社】偕成社

「わたしのいもうと」のあらすじ

この子は

わたしの いもうと

むこうを むいたまま

ふりむいて くれないのです

いもうとのはなし

きいてください

 

いまから 七年まえ

わたしたちは この町に

ひっこしてきました

 

いもうとは 小学校四年生でした

 

けれど てんこうした学校で

あの おそろしい いじめが

はじまりました

 

いもうとは

学校へ いかなくなりました

 

ごはんも たべず

口も きかず

いもうとは だまって どこかをみつめ

おいしゃさんの手も ふりはらうのです

でも そのとき

いもうとの からだに

つねられた あざが たくさんあるのが

わかったのです

 

いもうとは やせおとろえ

このままでは いのちがもたないと

いわれました

 

かあさんがひっしで

かたくむすんだ くちびるに

スープを ながしこみ

だきしめて だきしめて

いっしょに ねむり

子もりうたを うたって

ようやく いもうとは

いのちを とりとめました

 

いじめた子たちは

中学生になって

高校生になって

まどのそとを とおっていきます

わらいながら

おしゃべりしながら・・・・

 

いもうとは おりがみを

おるようになりました

つるに うずまって

でも やっぱり ふりむいては

くれないのです

口を きいてくれないのです

 

かあさんは なきながら

となりのへやで

つるを おります

つるを おっていると

あの子のこころが

わかるような きがするの・・・・

 

ある日 いもうとは

ひっそりと しにました

つるを てのひらにすくって

花といっしょに いれました

 

いもうとのはなしは

これだけです

 

「わたしを いじめたひとたちは

もう わたしを

わすれて しまったでしょうね

 

あそびたかったのに

べんきょう したかったのに」

おなじ日本人のなかでの差別は、他民族への差別とかさなり、人間の尊厳をふみにじっていく。そしておそろしいのは、おおかたの人が自分でも知らないうちに、加害者になっている、またはなり得ることではなかろうか。

著者あとがきより




感想

著者の元に届いた一通の手紙。

ご自分だけの心にしまっておくことが出来なくて、この絵本が生まれました。

 

ご自身も、いじめに合ったことがあるそうです。

「おねがいだから石を投げないで。あなたたちには遊びでも、わたしにはいのちの問題だから」

何度も心でさけんだそうです。

 

5歳の娘と読みました。

ずっと隣で聞き入っていた娘は、「ある日 いもうとは ひっそりと しにました」というところで思わず「はっ」と息をもらしました。

読み終えたとき、やっと口を開き「死んじゃったんだって。え、何で?悲しすぎる。もう涙がとまらないよ」と言いながら、泣いていました。

娘は感情移入しやすいので、読み聞かせながら、まだ時期が早かったかな、寝る前の読み聞かせには向かなかったかな、と思いました。

私も、こういう内容の絵本だとは知りませんでしたので、衝撃を受けました。

 

重いテーマの絵本ですが、いじめられた側の立場、気持ちが理解できます。

いじめということが、どんなことなのか話し合い、考えるきっかけになると思います。

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