絵本の情報
あずきまる
【作・絵】早川 純子
【出版社】農山漁村文化協会
【ページ数】28
「あずきまる」のあらすじ
あずきまるたちは、ちさいころから さやのなか
じぶんたちの すがたを みたことが ありません。
「たべられるなら、ぼくたちに にている
そっくりさん が いいねえ」と
そのひを たのしみに そだちました。
その「あずきまる」達を一生懸命畑で育てているのは、もじゃもじゃのたぬき。
収穫のとき 外にはじめて出たあずきまるたちは、自分の姿をみてびっくりしました。
「ぼくたちって、なんてまるくて ピカピカで すてきなんだろう!」
ところが、ふと見上げると、あずきまるたちを大事に育ててくれた
モジャモジャたぬき
の すがたがありました。
「そっくりさん」に食べられたかったあずきまるたちは、
自分たちの「そっくりさん」を探す旅に出ることにしました。
だってずっと、自分たちに似ていて、丸くてピカピカした方に、食べられることを夢見ていたからです。
あずきまるたちは、引き留めるたぬきを見て、口を揃えて言いました。
「もじゃもじゃ~は いや~」
そして、モジャモジャたぬきは考えました。
「それならしかたない。もっとピカピカでおいしい すがたに なりたくないかね?」
「まずは、このなべに はいってみなさい。」
頭のいいたぬきの誘いに、あずきまるたちは喜んで飛び込みました。
さて、おいしそうなアンコにされた あずきまるたち。
けれど自分たちの姿をみて・・・・
「これはピカピカじゃなくて、テカテカだ!」
と怒ります。
そこに、たぬきのお友達のミヨちゃんがあらわれました。
まずは、怒ったあずきまるたちを なだめます。
「たぬきは ばけることが とくいなんだ。アズキもおなじ。
いろんな すがたになることが できるんだ。
どう?そっくりでしょ!」
ミヨちゃんの話を聞いて、あずきまるたちは喜びました。
そしてミヨちゃんの持ってきたもち米に包まれて、幸せに食べられました。
感想
表紙の絵のインパクトと、タイトルに惹かれて図書館で借りました。
あんこが大好きな5歳の娘と読みました。
あずきまる達が、まだ「さや」の中にいるところから始まるこの絵本を読みながら、そういえば、小豆って何なのか、あんこってどうやってできるのか、教えたことがなかったなと、思いました。
娘も、「こうやって、あんこになるんだね!」と、とても興味深かったようです。
登場する生き物たちの表情や、お話の内容がとても生き生きとしています。
たぬきの「あずき」にかける愛情、「あずきまる」達の食べられ方へのこだわりなど、設定が新鮮で面白いです。
そして所々、笑いを誘います。
大事に大事に育てられた「あずき」が、最後には、自分たちも納得するかたちで幸せに食べられていきます。
見所がたっぷりで、食育にもおすすめの絵本です。
そして最後には、愛情をかけて手作りした「おはぎ」が食べたくなってしまいます。
余談ですが、昨日、日本の行事絵本を読んでいた娘が「お願い!まだお正月じゃないけど、今日絶対におしるこ食べたい!」と言い出しました。
買い置きしてあったレトルトのあんこを使って、お餅を焼いて、おしるこを食べました。
今年のお正月は、娘と一緒に「小豆」からおしるこを作ろう!と決めました。
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