絵本の情報
いえでをしたくなったので
【文】リーゼル・モーク・スコーベン
【絵】ドリス・バーン
【翻訳】松井 るり子
【出版社】ほるぷ出版
【ページ数】40
「いえでをしたくなったので」のあらすじ
いえでを したくなったので
きょうだい みんなで にもつを つめた
セーター くつした
マフラー てぶくろ ふゆぼうし
それから そろって ひっこした
ぼくたちの すきな あの き まで
兄弟たちが大好きな、木の家。
みんなで遊んでいると、風で吹き飛ばされてしまいます。
それから、兄弟たちは、次々と、場所をかえ、引っ越しを繰り返します。
お気に入りの、池。
大好きな、洞窟。
そして、浜辺。
引っ越し先をかえるたび、
お気に入りの場所で見つけた、
お気に入りのものを家族にむかえ、
荷物は増えていきました。
そして、
それから そろって ひっこした
やっぱり うちで くらそうと・・・
家の玄関では、パパとママが、あたたかく迎え入れてくれます。
感想
冒頭の場面から、両親が大ゲンカをしたから、居場所がなくなって兄弟たちが家出をしたのだということがうかがえます。
ただ単に、「家出をしたくなった」のでは、ないのです。
家の中に、居場所がなくなったから、兄弟で相談して「家出をしてみた」のかもしれません。
どちらにしても、この絵本から伝わるのは、あたたかな家族の風景です。
リズムのよい訳も、読んでいて心地よく、なんだかワクワクしてきます。
スミ一色の素朴なペン画は、子供たちの生き生きとした世界を、よりリアルに伝えています。
5歳の娘は、裏庭に近所のお友達を招いて、毎日「秘密基地」を作って遊んでいます。
その日によって、場所をかえたり、材料をかえたりして、本当に楽しそうです。
「家出」とまではいきませんが、親のあまり目の届かない場所で、子供たちだけの「秘密」を共有することが、とても楽しい様子です。
シートを広げたり、庭の花を飾ったり、
机を持って行って、みんなでおやつパーティーしてみたり。
時には、カエルやダンゴムシをペットに迎えたり、しています。
この絵本に出てくる兄弟たちも、出会ったカエルとお友達になっていました。
少し親から離れて冒険を楽しむ気持ち。
でもやっぱり、薄暗くなるころには、どこか心細くなって、お家に帰りたくなる気持ち。
この絵本には、忘れていた子供時代の、大切なものが沢山詰まっていました。
子供は子供なりに、「今」感じられるもの、共感するものが、絶対にあるはずです。
プレゼントにもおすすめの絵本です。
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