日本民話さるかに合戦。味わい深い方言を活かした再話「かにむかし」




絵本の情報

かにむかし

【文】木下 順二

【絵】清水 崑

【出版社】岩波書店

【ページ数】44

「かにむかし」のあらすじ

昔々、柿が大好きなカニが、一粒の柿の種を見つけました。

 

カニは、自分の庭に種をまき、毎日毎日水やりをしました。

 

それは、やがて大きな木に育ちました。

 

そして、沢山の実をつけました。

 

カニは、柿の実を取ろうと、木に登りました。

しかし、何度試しても、柿には手が届きませんでした。

 

そこに、一匹のさるが現れました。

さるは、柿の木のてっぺんへ駆け登り、熟れた大きな柿を次々に食べ始めました。

 

カニは、びっくりして文句を言いました。

 

すると、さるはまだ熟れていない固い柿を、カニめがけて投げつけました。

 

カニは、ぺしゃりとつぶれました。

つぶれたカニから、子供が沢山這い出してきました。

 

そのカニの子供たちは、大きくなってから、きびを育てました。

育てたきびで「きびだんご」を作り、みんながひとつずつ、きびだんごを腰につけました。

 

そして、みんな揃って、親ガニの仇討ちに出かけました。

 

さるを見つけに行く途中、「ぱんぱんぐり」に行き合いました。

きびだんごを一つあげると、くりは仲間に加わりました。

 

それから、

ハチに出会い、

牛のフンに出会い、

はぜ棒に出会い、

石うすに出会い、

きびだんごを渡すたび、仲間が増えていきました。

 

しかし、さるの家に到着すると、さるはちょうど留守でした。

仲間は、それぞれに、思う場所へ隠れました。

 

しばらくすると、何も知らないさるは、ひょこひょこと戻ってきました。

隠れた仲間は、次々に姿をあらわし、カニの仇討ちを成功させたのでした・・・・




感想

有名な日本民話「さるかに合戦」。

方言の味わいを活かした、木下順二氏による再話です。

 

素朴な絵と、少し難しいけれど、あたたかささえ感じられる方言。

久しぶりに読んだ日本昔話ですが、味わい深いです。

(私自身は、さるを殺してしまう、という内容に、幼い頃衝撃を受けた記憶があります。)

 

この方言をそのまま娘に読み聞かせながら、ふと、自分が昔大好きだった

「まんが日本昔ばなし」を思い出しました。

 

少しわからないところもあるけれど、耳慣れないその方言、語り口調にものすごく引き込まれた記憶があります。

今、ネットで検索をしたところ、レンタルDVDであるようです。

どんな反応を示すか、今度、娘と観てみようと思います。







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絵本の読み聞かせをしてあげられる時期は、案外短い。最初からうまくいっていたわけではないけれど、毎日の読み聞かせは、間違いなく私達親子に、沢山のことをもたらしてくれています。そんな私達親子の「読み聞かせ」これまでと、これから。