絵本の情報
がっこうだってどきどきしてる
【文】アダム・レックス
【絵】クリスチャン・ロビンソン
【訳】なかがわ ちひろ
【出版社】WAVE出版
【ページ数】32
「がっこうだってどきどきしてる」のあらすじ
こうじの くるまが はしりまわって、あなを ほり、はしらを たて、れんがを つみあげて、ぴかぴかの あたらしい たてものを つくりました。
ドアの うえには「がっこう」と かいてあります。
ぴかぴかの たてものは、なにしろ うまれたばかりなので、がっこうが どんなところかは しりませんでした。
しんがっきが はじまりました。
こどもたちが ぞくぞくと やってきます。
なんて にぎやかなんでしょう。
がっこうは、どきどきしながら こどもたちを みていました。
いちねんせいの きょうしつです。
そばかすの おんなのこは ひざを かかえて、ちいさな こえで つぶやきました。
「がっこうなんて きらい」
それを きいて、がっこうも つぶやきました。
「ふん。ぼくだって、きみのことが きらいさ」
おえかきの べんきょうです。
そばかすの おんなのこは、がっこうの えを かきました。
「うわぁ、ぼくに そっくり。よく みてくれているんだなあ」
せんせいは、その えを かべに はりました。
さんじです。
こどもたちは、いえに かえっていきました。
「あのこたち、あしたも また きてくれると いいなあ」
ゆうやけです。
ようむいんは ゆうひを ながめて いいました。
「がっこうには こどもたちが まいんち やってくる。いろんなことを べんきょうして、あそんで、わらって、ないて、おこって、けんかをして、なかなおりをする。みんな いつまでも がっこうのことは わすれない。こんなに すてきな たてものって、めったに ないよ」
がっこうは、だまって にっこり わらいました。
ほんとうに そのとおりかもしれないと おもったからです。
感想
ワシントン・ポスト紙パブリッシャーズ・ウィークリー誌カーカス・レビュー誌が選ぶ2016年ベスト絵本。
2018年、読書感想文課題図書の一冊で、小学校1年生の娘と読みました。
娘が、小学校入学前のことです。
何度か、歩いて通学路を確認したことがありました。
何度目かに、学校に着いて、さあ帰ろうとしたとき・・・
「がっこうさん、バイバイ!またくるね!」
と、娘が学校に挨拶したことを、思い出します。
入学後、娘のクラスに、教育実習生の先生がやってきました。
娘の小学校の卒業生でもある先生から、「先生が小学生のとき、このがっこうを建てなおしたんだよ」というお話を聞いたそうです。
娘の通う「がっこうさん」も、そのときは、どきどきしていたのでしょうか・・・
今年も、もうすぐ新一年生を迎えます。
子供達もどきどきしているけれど、がっこうだって、どきどきしてる。
入学前に読み聞かせてあげたい、おすすめの絵本です。
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