禅味あふれる大きなパンダと俳句好きな小さなパンダ「シズカくんとクーちゃん」




絵本の情報

シズカくんとクーちゃん

【作・絵】ジョン・J・ミュース

【翻訳】三木 卓

【出版社】フレーベル館

【ページ数】40

あらすじ

おしゃべりする大きなパンダ「シズカくん」と小さなパンダ「クーちゃん」の物語です。

 

夏休み。

パンダのシズカくんの元に、甥であるクーちゃんが遊びにやってきます。

そこに、シズカくんのお友達「アディ、マイケル、カール」がやってきました。

クーちゃんも、すぐに仲良しになります。

 

しかし、シズカくんのお友達、マイケルには、心配事がありました。

明日、書き取りのコンテストに出なくてはいけないのです。

シズカくんは、相談に乗り、いいアイデアを思い付きます。

 

ご近所の「ホテイカーさんのところに、一緒に遊びに行きましょう。」

 

けれど、マイケル達は、ホテイカーさんが苦手でした。

いつも、そばを通るたびにどなられていたからです。

 

「ホテイカーさんは、いい人です。じきにわかります。」

 

体調の悪いホテイカーさんのために、みんなでスープを作って持っていきました。

ホテイカーさんは、実は昔、国語の先生だったのです。

マイケルは、ホテイカーさんに助けられ、心配していた書き取りコンテストを成功させます。

 

後日、マイケルはホテイカーさんの元へコンテストでもらった、赤いリボンを届けました。

 

数日後、クーちゃんとみんなは、さよならの時間を迎えます。

「なつおわる ともだちの顔 わすれない」(クーちゃんの俳句)・・・




感想

「パンダのシズカくん」という絵本の2作目だそうです。

シズカくんは、禅味あふれる、ユーモラスなパンダです。

 

まず、駅でクーちゃんの電車を待つ間は、座禅。

「もったいない」精神を持っている。

会話は、常に敬語。

 

そして、やってきた甥のクーちゃんは、なぜか会話が全て「俳句」。

お絵描きは、筆。

お別れは、合掌。

 

実は、我が家の4歳の娘も、ときどき自分の気持ちを俳句で伝えてくることがあったりと、小さなパンダクーちゃんに親近感を抱かずにはいられなかったようです。

そんな俳句好きな娘には、この絵本はたまらなかったようです。

絵本にしては物語が長く、読み聞かせには結構な時間がかかりましたが、それでもずっと集中して気き入っていました。

 

3人の子供たちと、ホテイカーさんが仲良しになっていく過程、その顛末が気になりながら、クーちゃんの俳句があり、シズカくんのおもてなしの心があり、と、楽しめる要素がふんだんに盛り込まれています。

なかなか読み応えのある絵本でした。

前作「パンダのシズカくん」も近いうちに読んでみるつもりです。

 

寝る前に読み聞かせたのですが、読み終えた後の、娘の一句です。

「さあねよう ベッドにころんと よこになり」

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