絵本の情報
そらのいろって
【文・絵】ピーター・レイノルズ
【訳】なかがわ ちひろ
【出版社】主婦の友社
【ページ数】32
「そらのいろって」のあらすじ
マリソルは、ほんものの えかき みたいだ。
つぎから つぎに えを かいて、
れいぞうこに はっていく。
ほら、ここは マリソルの びじゅつかん。
マリソルは、学校では有名人。
着ている服が変わっているし、絵の道具をいっぱいもっているし、誰にでも絵を描くことをすすめるから。
マリソルは、絵を描くと、そこになにかがうまれて、わくわくした。
ある日、クラスのみんなで、図書室の壁に大きな絵を描くことになった。
「あたしは、そらを かきたい!」
マリソルは、大声で言った。
ところが、絵の具の箱には、青がなかった。
マリソルは、学校の帰りや家でも、空をずっと眺めた。
太陽が、ゆっくりと沈んでいく。
夕焼けの空が、夜の空に、かわっていく。
次の朝は、雨だった。
マリソルは、今日も、空を見上げた。
空は、青くない。
マリソルは、にっこり、笑った。
学校に着くと、マリソルは絵の具を筆でかきまぜて、全く新しい色を作った。
「それ、なんの いろ?」
男の子が、たずねた。
マリソルは、自信たぷりに、こう答えた。
「そらの いろよ!」
『てん』で、ラモンは絵をかくことをはじめておもしろいと思い、『っぽい』で、マリソルはラモンの絵を「好き」といった。そして、『そらのいろって』では―。空は青、じめんは茶色、葉っぱは緑…ってほんとうに?自分の目でみて、心で感じたら、ちがう色がみえてくるかもしれない。ロングセラー絵本『てん』『っぽい』に続く、レイノルズからの熱いメッセージ絵本。
感想
絵を描くのが大好きな、5歳の娘。
ある日、外出先で娘が塗った空の色を見て、「あら、お空の色は、水色か青じゃないの?」とおっしゃった方がいました。
娘は、空の色をカラフルに塗るときが、あるのです。
そのことがあってから、「空の色は水色か、青だよね。それと、夜は黒だね。」と、娘が空の色を決めつけるようになりました。
そんな娘に、「空の色は決まってないんだよ、何色だって感じたまま描いていいんだよ」と、何度か言葉で伝えていました。
すると娘は、次第に、夕焼けを見ては「今日はオレンジが混ざってるね!」「今日は少しピンクに見えるね」「向こうは少し金色だね」と、自分なりに空の色を探すようになりました。
この絵本に出会った時、まさに娘のための絵本!だと思いました。
他人が作った既成概念にとらわれないこと。
この世界を、自分の目で見て、肌で感じ、耳で聞いて、心でとらえる、それが一番大事なこと。
型にはまった見方をしていたら、その先には進めない。
大人やまわりの人が作った枠から勇気を出して、一歩を踏み出そう。
幼い頃、美術の先生にその大切さを教えられて道が開けた経験を持つ著者が、今の子供たち、そして子供たちだけでなく、大人たちへ送るエールとメッセージです。
絵を描くのが好きな子にもおすすめの絵本です。
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