目次
絵本の情報
山のタンタラばあさん
【著者】安房 直子
【絵】出久根 育
【出版社】小学館
【ページ数】62
「山のタンタラばあさん」のあらすじ
- タンタラばあさんは魔法使い
- タンタラばあさん空を飛ぶ
- タンタラばあさんカラスのうちへ
- タンタラばあさんのしゃぼん玉
の4編のお話で構成されています。
タンタラばあさんは魔法使い
ずっと東の、毎朝お日様がのぼるあたりに、まあるい山がある。
その山のてっぺんに、一本のタラの木がある。
その木の下に、一見の家がある。
そこに住んでいるのが、タンタラばあさんだ。
タンタラばあさんは、魔法使いです。
森の動物で、タンタラばあさんを知らないものは、いませんでした。
真冬のある夜、タンタラばあさんの家を「うさぎ」が訪ねます。
しもやけで、耳がとってもかゆくてたまらない「うさぎ」を、タンタラばあさん手作りの特製の薬で治してあげました。
タンタラばあさん空を飛ぶ
それから何日も過ぎて、森に春がやってきます。
毎日「キモノ」で過ごしているタンタラばあさんは、ふっと、スカートをはいてみたくなりました。
よもぎの葉っぱをカゴいっぱいに集め、針を動かし、よもぎのいい匂いのする、スカートを完成させました。
ついでに、レンゲの花を摘んで、ブラウスもつくりました。
薄桃色のブラウスが出来上がると、タンタラばあさんは空を散歩しました。
そこで、口笛が下手な「モミの木」と出会い、タンタラばあさんは手助けをしてあげました。
タンタラばあさんカラスのうちへ
タンタラばあさんは、引き続き空の散歩を続けます。
すると、カラスが5羽も集まって、タンタラばあさんの「よもぎのスカート」を突っついています。
よもぎのスカートは、草餅のいい匂いがしました。
カラスたちは、おやつの時間であることを思い出し、家路へと急ぎます。
タンタラばあさんは、カラスたちについて飛んでいき、一緒に「お茶」を楽しみました。
「今度、草餅の作り方を教えてあげるから、うちに遊びにおいで」
そう言って、タンタラばあさんはカラス達の家をあとにしました。
タンタラばあさんのしゃぼん玉
タンタラばあさんは、しゃぼん玉が大好きです。
特に、夕方のしゃぼん玉が。
「さあ、じゃぼん玉を飛ばすよ!」
タンタラばあさんの声は、山の動物たちみんなに届きました。
動物たちはみんな、自分の家のほうに風が吹くといいなあ、と思っていました。
その日の風は、南向き。
たぬきの家族の頭上へ、しゃぼん玉があらわれました。
その夜、たぬきの子供が「しゃぼん玉がほしいよう。」と泣き出しました。
仕方なく、たぬきの親子は、夜中にタンタラばあさんを訪ねました。
すると、タンタラばあさんは、もう一度、しゃぼん玉を吹いてくれました。
たぬきの親子は、朝になるまで、空を見上げていました。
まとめ
寝かしつける前の読み聞かせ絵本としては、少し長いです。
全ページ通して読みましたが、30分ちょっとかかりました。
不思議な世界観と、楽しいお話に引き込まれ、5歳の娘はじっと聞き入っていました。
どれも、とても可愛く、心温まるお話でした。
5歳の娘は、まだ一人で読むことはできないボリュームですが、小学生のお子様でしたら、一人でも楽しんで読み進めることができると思います。
ちょうど新緑の季節、春に読みたい、味わい深い作品です。
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