子供が感じる不条理を吹き飛ばす!痛快な絵本「いつもちこくのおとこのこ」




絵本の情報

いつもちこくのおとこのこ

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー

【作】ジョン・バーニンガム

【訳】たにかわ しゅんたろう

【出版社】あかね書房

「いつもちこくのおとこのこ」のあらすじ

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、

おべんきょうしに てくてく でかける。

 

そのとちゅう いっぴきの わにが マンホールから あらわれて、

ノーマンの かばんに かみついて はなさない。

 

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、

おべんきょうしに みちを いそぐ、

けれど わにの せいで おそくなった。

 

学校に遅刻したジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、先生に言った。

「せいせい、ぼくが ちこくしたのは、とちゅうで マンホールから わにが あらわれ、

ぼくの かばんに かみついて はなしてくれなかったからです。」

 

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、

おべんきょうしに いそいで でかける。

 

だが、とちゅうで いっぴきのライオンが、しげみから あらわれて、

ジョンの ズボンを やぶいてしまう。

 

ライオンのせいで遅刻したジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、先生に言った。

「せんせい、ぼくが ちこくしたのは、ライオンが しげみから とびだして ぼくの ズボンに かみついて、ぼくはきにのぼっていなければ ならなかったからです。」

 

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、いつもお勉強しに、急いででかけた。

けれど、途中で、必ず何かが起こった。

そのせいで、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、いつも遅刻した。

 

先生には理由を信じてもらうことができず、いつも罰を受けた。

けれどある日、途中なにひとつ起こらなかったので、ジョンは間に合った。

 

すると先生が、大変な目にあってた。

「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、わたしは おおきな けむくじゃらの ゴリラに つかまって やねにおる。すぐに わたしを おろすこと。」

 

ジョンは、先生に言った。

「おおきな けむくじゃらの ゴリラ なんてものは このあたりの やねには いませんよ、せんせい。」

 

そして、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、

もっと おべんきょうしに でかけていった。




感想

「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」主人公の少年の長い名前が、文中で何度も繰り返されます。

読み聞かせながら、その繰り返しがクセになり、綺麗に流れるように読むことが気持ちよくなってきます。

 

いつも遅刻してしまう、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー。

先生には、理由が特別すぎて信じてもらえません。

 

だって、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーに起きていることは、普通ではありえないことばかりだからです。

実は私も、5歳の娘に読み聞かせながら、男の子の嘘だとばかり思っていました。

 

もし娘が、この少年と同じようなことを理由にしたら・・・

「そんなこと、あるわけないじゃん」と片づけてしまいそうな自分に気づいて、少し残念な気持ちになりました。

 

大人が信じてくれない。

頭ごなしに否定される時のがっかり感。

誰でも経験があると思います。

 

この絵本のラストでは、そんな子供の気持ちを汲み取るかのような、痛快なハプニングが起こります。

そして最後にジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、はじめて嘘をつくのです。

先生への気持ちの良い仕返しができました。

 

幼児から小学校低学年のお子様にウケそうな絵本です。

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