絵本の情報
ときめきのへや
【作・絵】セルジオ・ルッツィア
【翻訳】福本 友美子
【出版社】講談社
【ページ数】36
「ときめきのへや」のあらすじ
ピウス・ペローシはモリネズミでした。
モリネズミは、ものを集めるのが好きです。
森の中では、
ねじれた根っこ
おもしろい形の小枝
葉っぱや鳥の羽
へびの抜け殻
などを見つけました。
海へ行けば、
貝殻
カニのはさみ
木ぎれ
キラキラひかるガラスのかけら
を拾いました。
町では、横丁をぶらぶらしながら、
捨てられたもの
忘れられたもの
を見つけて歩きました。
そして、拾ったものを家にもって帰り・・・
ひとつひとつ、棚に飾りました。
ピウスは、ここを「ときめきのへや」とよんでいました。
今までに集めたものは、全部、この部屋に飾ってあります。
宝物が、たくさん、ありました。
この素晴らしい宝物を見せてもらおうと、あちこちから、色々な人がやってきました。
ピウスは聞かれるままに、あれやこれやを、どうやって見つけたか、話してあげました。
ところが、宝物の中で、ひとつだけ、誰もが首をかしげるものがありました。
ピウスはガラスケースに大切に飾っていましたが、どう見てもただのつまらない灰色の石ころでした。
友達はみんな、”どこにでもある石ころ”だと言いました。
ピウスも、だんだんと、友達の言う通り、つまらないものなのかな、と思うようになりました。
しかし、ピウスは、やっぱりこの”灰色の石ころ”が気に入っていました。
一番初めに見つけて、ときめきの部屋に、一番最初に飾ったものだったからです。
でも、どの人にも同じことを言われてきたピウスは、
きっと、みんなのいうことが正しいに違いない、と考えるようになりました。
ピウスは、石ころを川に放り投げました。
ピウスはそれからというもの、もう、どの宝物をみても、楽しくなくなりました。
それどころか、何をする気にも、なれませんでした。
ピウスは、ときめきの部屋を片付けることに決め、宝物を全部、誰かにあげてしまいました。
あっという間に、すべてが、きれいさっぱりなくなりました。
からっぽの部屋と同じように、ピウスもからっぽでした。
まる3日間、家にこもり、4日目、思い切って、外に出てみました。
小さな、灰色の石ころを、みつけました。
前に持っていたものと、そっくりでした。
ピウスは拾い上げ、石ころを持って帰りました。
そして、棚の上に飾り付けました。
さてと、ひとりぼっちじゃかわいそうだな。
新しい「ときめきのへや」を作るために、ピウスは、宝物を探しにでかけました・・・
感想
同じものを見て、どう感じるのかは、人それぞれ。
ピウスには、ピウスの感性、想像力があり、他の誰が見ても「ただの石ころ」でも、
ピウスにとっては、心ときめく、宝物なのです。
他の人の意見を取り入れようと、一時は思いましたが、
やっぱり、ピウスは、ピウス。
大事なものは、変わることがありませんでした。
この気持ち、ものすごくよく分かります。
私自身、自分の価値観や、大事にしたいと思うものが、受け入れられないことが多い環境で大人になったので、
娘の事は、どんな気持ちも、まずは受け入れてあげたい、という思いがとても強いです。
そして、娘も石ころが大好き。
特に小さい子供は、個々の執着や、こだわりが強い一面があるので、
5歳の娘とピウスを重ねながら、微笑ましく、あたたかい気持ちになりました。
色使いが優しく、ずっと大事にしたい、と思わせてくれる絵本です。
今回は図書館で借りたのですが、娘が欲しがっているので、購入したいと思います。
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