ぬいぐるみにも感情がある。本物になったうさぎのお話「ビロードのうさぎ」

絵本の情報

ビロードのうさぎ

【原作】マージェリィ・W・ビアンコ

【絵・抄訳】酒井 駒子

【出版社】ブロンズ新社

【ページ数】32

あらすじ

さいしょ、この ビロードでできた

おもちゃのうさぎは たいへん りっぱでした。

 

うさぎをもらった ぼうやは、

おおよろこびで なでたり だっこしたり

はなしかけたりして あそびました。

 

あたらしいプレゼントをもった

しんせきのおじさんたちが やってくると、

ぼうやは もう そちらにむちゅうになって、

ビロードのうさぎのことは

わすれてしまいました。

 

小さなうさぎは、おもちゃの棚や、子供部屋の隅っこで暮らすようになります。

子供部屋には、立派なおもちゃが沢山あり、ただのキレでできている、ビロードのうさぎは、馬鹿にされて、いつも隅っこで小さくなっていました。

 

たった一人、馬のおもちゃだけは、うさぎに優しくしてくれました。

馬のおもちゃは、大切なことを、教えてくれました。

 

「ほんものというのはね、ながいあいだに

子どもの ほんとうの ともだちになった

おもちゃが なるものなのだ。

ただ あそぶだけではなく、こころから たいせつに

だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。

たとえ そのころには ふるくなって

ボロボロになっていたとしてもね。

おまえさんだって そうなるかも しれないよ。

子どもべやには ときどき まほうが おこる ものなのだ」

 

馬が教えてくれたことは、本当になりました。

それまで子供部屋の片隅にいた「うさぎ」は、あるときから、ぼうやのお気に入りになりました。

 

毎晩、うさぎは、ぼうやと寝るようになりました。

春になると、二人は庭に出て遊びました。

 

うさぎは、だんだんとよごれてきて、汚くなりました。

けれど、毎日が幸せで、そんなことは気になりませんでした。

 

ある日、ぼうやが言いました。

「この子は、おもちゃじゃないの、ほんとうの うさぎなの」

その晩、うさぎは うれしくて うれしくて 眠れませんでした。

 

子供部屋の魔法で、本当のうさぎになれた。

小さなうさぎは、ますますよごれてボロボロになっても、ぼうやにとっては、いつまでも素晴らしいうさぎでした。

そして、うさぎも それで幸せでした。

 

そんなある日、ぼうやが病気で倒れました。

何日も高熱が続き、その病が回復したとき、「うさぎ」を指して、お医者さんが言いました。

「これは、ばい菌の塊だよ。焼いてしまいなさい。」

 

こんなふうに終わりが来るなんて、うさぎは思ってもいませんでした。

「あんなに たのしかったのに・・・」

ほんとうの涙が、うさぎのほほを伝いました。

 

すると、ふしぎなことが起こりました。

魔法使いがあらわれ、うさぎを、ある姿に、変えてくれました。

 

布でできたビロードのうさぎは、本当の「うさぎ」になりました。

時が経ち、ぼうやと、姿をかえたうさぎは、森で出会いました・・・

感想

子供の頃、ぬいぐるみ、人形に対して抱いていた気持ちを思い出しました。

ペットを飼いたいと思ったとき、動物のぬいぐるみを本物のペットだと思い、可愛がりました。

妹が欲しいと思った時、女の子の人形を本物の妹だと思い、遊びました。

 

5歳の娘を見ていると、当時の自分のように、「今、そうしているな」と感じるときがあります。

 

この絵本を読んだあと、今まで思い出すことのなかった、大事にしていたぬいぐるみやおもちゃの記憶がよみがえり、懐かしさで胸がいっぱいになりました。

 

いつか、要るもの、要らないものの仕分けをする時が、来ます。

そのときは、決して無神経にならないように、という戒めのようにも感じました。

 

大人にとっては、ごみのようなものでも、その子なりの思い入れや、特別な感情を抱いていることがあります。

主人公に自分を重ね、物が感情を持つという特別なストーリーに、5歳の娘も感情移入したようでした。

捨てられた「うさぎ」が涙をこぼした場面で、一緒に泣いていました。

 

大事にしたくなる、素敵な絵本です。

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