自分らしく生きてほしい。と伝えられる絵本「わたしはあかねこ」




絵本の情報

わたしはあかねこ

【作】サトシン

【絵】西村 敏雄

【出版社】文渓堂

「わたしはあかねこ」のあらすじ

わたしは あかねこ。

 

しろねこかあさんと くろねことうさんから うまれたの。

きょうだいは、しろねこちゃんと、くろねこちゃんと、とらねこちゃんと、ぶちねこちゃん。

 

うまれたとき、ひとりだけ あかい わたしを みて、

おとうさんも おかあさんも ビックリ したんだって。

 

「どうして あのこだけ いろが ちがうんだろう」

って、おとうさんと おかあさんは よく ためいきを ついてるの。

 

でもね、わたしは このいろ、きれいで かわいくて、

とっても きにいってたの。

 

「あかねこちゃんだけ いろが ちがって、かわいそう」

って、きょうだいたちも いうの。

 

でもね、わたしは きれいで かわいい このいろが すき。

みんなと いっしょなんて つまんないって おもってたの。

 

わたし べつに、しろくなんか なりたく ないの。

わたし べつに、くろくなんか なりたく ないの。

わたし べつに、しましまにも ぶちもようにも なりたく ないの。

 

みんなと おなじが いいのかな?

そんなことも、ちょっと おもって みたわ。

 

だけど、わたしは、あかねこ。

そのままの じぶんが よかったの。

 

やさしい みんなは だいすきだけど、

わたしらしさを わかってくれないのは かなしい。

だからね・・・・、

 

あるひ、わたしは みんなが ねてるうちに いえを とびだしたの。

 

いろんなところに たびをして、

いろんな まちで くらしたの。

 

わたしは、いえを とびだして よかったと おもってる。

だってね、

 

このまちで、あおねこくんと であえたんだもの。

 

あおねこくんは、はじめて わたしと あったとき、

「やあ、きみの あかい けなみ とっても きれいだね」

って、いってくれたの。

 

そのひから、わたしたちは いつもいっしょに くらしたの。

ねるときも、あそぶときも、たべるときも、うたうときも。

 

でもね・・・・、

あかねこちゃん、

だいだいねこちゃん、

みどりねこちゃん、

あおねこちゃん、

あいいろねこちゃん、

むらさきねこちゃん

が、うまれたのには、びっくりしちゃった!




感想

「他の猫と違っても、そのままの自分がいい。」

「みんなは心配してくれて、優しいけれど、そのままの私を認めてもらえないのは、かなしい。」

 

この「あかねこちゃん」ほど、自己を肯定することって、なかなか難しいのではないでしょうか。

 

少し(だいぶ?)変わったところのある、5歳の娘と読みました。

娘にも、他人と違ってもいいんだよ、ということを日々の生活の中で少しずつ、伝えているつもりですが・・・

 

来年、小学校に入学する娘。

最近、ランドセル選びをやっと終えたところです。

 

実は、私の「せめてこういうものを選んでほしい」というラインをはるかに超えた娘のチョイスに、少し戸惑いました。

 

「他の子とは、違うけど、いい?」

「みんなは、きっと、こういうランドセルだけれど、みんなと違っても、本当に大丈夫?」

 

何度確認したか、わかりません。

 

娘は、「みんなと違っても全然平気!」と、最後まで意思を曲げることはありませんでした。

 

そんな時期に、出会った、この絵本。

あらためて、自分の子供だからと「親の価値観」を押し付けてはいけないなぁと、自分への戒めにもなりました。

 

「自分らしく生きてほしい。」

「そのままの、あなたでいてほしい。」

そんな思いを伝えたいときにも、おすすめの一冊です。

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